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PCM-F1(SONY驚異の技術力!) [コンポ/ホームオーディオ]

この製品は、1981年に定価250,000円で発売されたデジタルプロセッサーとなります。

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デジタルプロセッサーとは、以前ご紹介した世界初の民生デジタルオーディオ機”PCM-1”の様に、VTRと接続し、ビデオテープにデジタルオーディオを記録するレコーダーです。

この製品は当時、世界最小・最軽量で、世界初のAC/DC両対応の為、ポータブルVTRとの組み合わせにより可搬式のデジタルレコーダーとして使用する事が可能でした。

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↑DC電源使用の場合は、巨大なACアダプタユニットが必要

当時、デジタルオーディオ専用の収録メディアは無く、デジタルオーディオデータは多くの情報量を記録する事が可能なビデオテープに記録するのが通常でした。

他のメーカーの製品は、Uマチック(映像業界では3/4:「しぶさん」と呼びますが)に記録するものが多数でしたが、SONYは民生用にベータマックスを発売していたので、この製品はベータマックス方式のポータブルVTR、”SL-F1”と組み合わせて使用する事を前提としたデザインや型番となっています。

PCM-F1_4.jpg
↑上が”SL-F1”、下が”PCM-F1”

実際にこの組み合わせは、世界で最も人気を得たデジタル録音システムとも言われている程使用例が多く、 この組み合わせは、海外のレコーディングスタジオでも使われ、現在発売されているCDの中に も、この”PCM-F1”と”SL-F1”を使用して録音されたものが有るとも言われています。

”PCM-F1”の小型化には、専用LSIの新開発が寄与しています。それまで、数百個のICを必要としデジタルプロセッサーの大 型化の原因になっていたデジタル信号処理回路を、A/Dコンバーター、D/Aコンバーター、RECデーター処理、PBデーター処理、シンクセパレーターの5つのLSIに統合できた成果としての小型化でした。

当時、EIAJのデジタル録音の標準フォーマットは14bitでした。そこで”PCM-F1”もEIAJ標準14bitリニア
量子化のフォーマットを搭載していました。それでも当時、高音質と信頼性が評価され、プロ用の現場でも使わ
る事となります。

更に、”PCM-F1”はリアパネルのスイッチの切替により、当時としては画期的な16bitフォ ーマットによる録音も可能とし、より広いダイナミックレンジと低歪みの録音を実 現していました。

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↑「Res」スイッチの切り替えで14bitと16bitの切り替えが可能

この16bitモードは、EIAJ標準14bitフォーマットとも互換性を持っている為、16bitで録音したテープも、14bit 標準フォーマット機で再生する事が可能となっています。

また、高精度のエンファシス回路とローパスフィルターを搭載しており、特に 高域でのSN比と歪みの改善を図っています。

更に、デジタル信号系とアナログ信号系が分離配置されたシャーシ構造とセパレート電源部とし、大型ヒートシンクにより回路の温 度の安定化を図っています。

また、デジタル録音のワイドダイナミックレンジを生かす為に、-50dB~0dB、24セグメントのワイドなレベルメー ターを備えています(基準レベルは-15dB)。AUTO/MANUAL切替可能のピークホールド機能とリアルタイムのレベル表 示を装備したダブルインジケーション方式を採用し、更にオーバーレベルを警告するOVER表示も装備しています。

TRACKINGスイッチをONにすると、ピークプログラムメーターのRchにトラッキング状態が表示され、録音/再生用のVTR側のトラッキングの最適ポイントを示してくれる機能もありました。

また、”PCM-F1”には可搬機に必要なマイク端子も装備しており、単売していたマイクアンプ”MX-1000Eと同等
以上の性能を持つDCアンプ構成の高性能なマイクロホンアンプという事でした。また、”PCM-F1”にVTRを2台接続する事に よりデジタルコピーができる「コピー(デジタル)出力」端子も装備しています。

以前、”PCM-1”のご紹介をした際、色々とクレームが多かったと記しましたが、それからたったの4年で、1号機である”PCM-1”の欠点を払拭しただけでなく、小型・軽量化、高音質化を図りながらも、20,000円も価格を下げた当時のSONYの技術力はとんでも無いものでした。

民生向け製品にも関わらず、その品質を認められ、業務用途に使用されるという音質に拘った製品を作り上げる精神こそ、今のSONYに必要な精神だと思います。




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コメント 6

デコポン

PCM-F1とSL-F1のコンビで近くのソニーショップで半値で購入して1983年より現役で使用中です。SONYの製品にしては
かなりかなりの長持ちです。
by デコポン (2016-04-25 18:52) 

そぬす

>デコポンさん
いまだに現役というのは凄いですね。ワタシは世代的に存在は知っていても、欲しいと思っても発売していなかったので、とても羨ましいです。
by そぬす (2016-06-12 01:03) 

デコポン

1983年当時の販売店の話しだと
PCM-F1とSL-F1を大量に製造をし過ぎて
値段を下げたって言う話しでしたね。おもにFMのエアー録音に使ってます。FMチュナーもケンウットのL-02Tを使いたかったんですが予算の都合で、アキュフェーズのT-106とtrioのKT-1000と8素子のアンテナです。ソニーの製品は、DAT、MD、ED-better、
HA-55を使いましたがPCM-F-1、SL-F1、
HA-55以外は SONYtimerで壊れしまいました。
by デコポン (2016-06-12 07:48) 

そぬす

>デコポンさん
HA-55もお持ちなんですね。ワタシはAV機器をオールデジタル化して以降、アナログオーディオはハマると、とんでもない額を使ってしまいそうなんで、手を出さない様にしています…。

by そぬす (2016-06-17 13:53) 

そぬす

追記です。良い機会なんで、今度『HA-55』の記事も書きたいと思います。
by そぬす (2016-06-17 13:54) 

上野パンダ

「それからたったの4年で、1号機である”PCM-1”の欠点を払拭しただけでなく、」とありますが、歴史の教科書的には、この2機種の間にEIAJ PCMの初代であるPCM-100があるのではないかな?
PCM-100をソニーと東芝でIC化したのがPCM-F1やPCM-701ESで、このときに訂正コードを半分だけ潰して16化を実現した。

by 上野パンダ (2017-01-15 01:00) 

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